佐藤仁重さん
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コンタックスST
1950年、写真好きの父は六本木に快晴堂という写真屋を開業し、同時期に写真愛好家を集めて東京写真倶楽部を創設しました。まさにモノクロ全盛の時代でした。後に、母が女性を対象とした写真教室を始めました。まだ女性がカメラを持つこともなく、カルチャーセンターもない時代、ネガカラーが普及し始めたころです。そして1960年、全日本写真連盟に初めて女性だけの支部「東京女性支部」を創設しました。
そんな環境の中生まれ育った私は、小さいころからカメラがおもちゃ代わり、撮影会が家族旅行、暗室が遊び場でした。真っ暗な暗室で動き回って深タンクの現像液に足を突っ込んだり、引き延ばし機で自分の写したフイルムをプリントしたり、小学生の頃から店番をさせられたので、どんなカメラにもフイルムを入れられるようにもなりました。家にはたくさんのカメラがあり、自由に使うことが出来ました。ベビーパール・ベビーコンタ、プラウベルマキナ、ライカM3、ローライ、オリンパスペン、キヤノンデミ、キヤノネットQL・・・記憶の奥に忘れられたカメラが何十台もあります。高校・大学は写真部在籍、ライカM4を持っていたら先生より良いカメラで居心地が悪く、親におねだりして初めて一眼レフカメラ、ペンタックスSPを買ってもらい、幸せなカメラ人生を歩んできました。 1984年初めて自分で買ったカメラは母の勧めでCONTAX 139にプラナー45mm、軽快で写真が楽しくなるカメラでした。 1985年、母が亡くなり写真の仕事を始めます。父がカールツアイスレンズ崇拝者で、写真はレンズだ!!と、快晴堂ではハッセルやCONTAXに力を入れて販売していました。主に使っていたのがCONTAX 137、167、ST、RX、RTS?、コンパクトカメラもT2、T3、TVS、とにかくCONTAXシリーズでした。1997年、初めての個展はニューヨークが舞台。リバーサル全盛の時代でした。一番のお気に入りCONTAX STを抱えてNY取材に燃えていた頃です。ディスタゴン18mmを手に入れたものの、うまく使いこなせないでいると、京セラより届いたCONTAXのレンズカタログに、有名写真家が様々なレンズで写した作品が載っていました。その1ページを開くと、ディスタゴン18mmで写した京都の石庭の作品が、一目見て感動!!そしてラボの営業のTさんが来たので、その話をすると、彼の担当している写真家の内藤忠行さんという方で、六本木に事務所があると言うのです。その場で電話を入れてくださり、数分後には内藤先生のスタジオに行き、なんとその夜一緒にお酒を酌み交わすことになりました。CONTAXがご縁で、素敵な写真に出会い、その日の内に素晴らしい写真家と出会い、楽しいお酒を交わし、撮影テクニックまで教えて頂き、忘れられない日となりました。NY取材に出掛ける数日前のことでしたので、STボディ2台、ディスタゴン18 mm、25mm、バリオゾナー35-70mm、70-210mm/F3.5を持参してNYに行きました。そのアドバイスのお陰で、写真学校に行っていない私にもレンズワークが身につきお気に入りの写真を撮ることが出来ました。今ではそのアドバイスを写真教室の生徒さんにしっかり伝えています。デジタル化が進んだ今、ショーケースでお留守番気味となっているCONTAXカメラ&レンズたちですが、時々は一緒に遊んであげたいと思っています。 ©佐藤 仁重
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![]() リレーのバトンはもちろんお話に上がった内藤忠行氏です。内藤忠行氏は映像と音楽のコラボレーションなど、常に新しい写真表現の世界へチャレンジされているPhotographer&Artistです。写真の世界はお洒落で音楽的、リズムを感じる繊細な表現が素敵です。お会いする度に刺激を受け、パワーを頂きます。 ![]() |
語り手一覧
▶ 赤城耕一▶ 榎並悦子 ▶ 大坂寛 ▶ 織作峰子 ▶ 神立尚紀 ▶ 齋藤亮一 ▶ 坂口綱男 ▶ 佐藤仁重 ▶ 菅原一剛 ▶ 鈴木一雄 ▶ 高井潔 ▶ 内藤忠行 ▶ 英伸三 ▶ 林義勝 ▶ 広川泰士 ▶ 松本徳彦 ▶ 三好耕三 ▶ 若木信吾 機種一覧(カメラ)
▶ エボニーワイド8×10 Hirokawa special▶ オリンパス OM-1N ▶ キヤノン F-1 ▶ コンタックスRTS ▶ コンタックスRXII ▶ コンタックスST ▶ ディアドルフ 16×20 ▶ ディアドルフ8×10 ▶ ニコンS ▶ ニコンSP ▶ ハッセルブラッド553ELX&オリンパスPEN E-P3 ▶ ペンタックス67 ▶ マミヤ7II ▶ ミノルタオートコード ▶ ライカM6 TTL ▶ リンホフテヒニカ4×5 ▶ ローライ コード ▶ ローライフレックス3.5F バックナンバー
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