登録されている商品情報はありません。
 
    登録されている商品情報はありません。
 
われらライカ仲間
Vol.10
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
インタビュアー
対談お相手
清水 朝子
Asako Shimizu
ライカは衝動を誘発してくれる、
撮りたい気持ちにさせてくれるカメラ
 女優や俳優などのポートレートをはじめ、鏡のようなウユニ塩湖の風景など、独特の作品で知られる写真家の清水朝子さん。愛機はライカの中判デジタル一眼レフ、ライカS2だ。
「私はフィルムではハッセルブラッド500CMやローライフレックス、マミヤ645など中判カメラを使っていました。作品もハッセルで撮ることが多かったですね。デジタルは日本のメーカーの一眼レフでした。でも、やはりデジタルでも中判を使いたいのと、海外ロケではフィルムだと空港のセキュリティチェックが面倒で。それで中判デジタルの検討を始めました。ライカは、それまでまったく縁がなかったんですよ」
 ライカといえばレンジファインダー機を思い浮かべるのが普通だろう。しかし清水さんはレンジファインダーのライカは未経験だ。多くのライカファンには珍しいと見えるかもしれない。だが清水さんの撮影スタイルは中判だった。
「はじめはフィルムでハッセルだったので、デジタルもハッセルにしようかと考えました。それでプロショップに行ってデジタルのハッセルを見たら、500CMとは全然違うんですよね。あれは好きになれなくて。それからそのプロショップでハッセルとマミヤとライカの中判デジタルを貸してくれて、撮り比べしました。そうしたらライカの写りが圧倒的にいいんです。それでライカを買うことに決めました」
 そのライカこそ、現在も愛用中のライカS2だ。レンズは標準のズマリットS F2.5/70ミリASPH.と中望遠マクロのアポ・マクロ・ズマリットS F2.5/120ミリの2本。高級車が買えるほどの価格だったが、思い切って決断したとのこと。
「ライカは衝動を誘発するカメラですね。撮りたい気持ちにさせてくれます」
 ライカS2で仕事をしていると、写りの良さだけでなく、撮影のしやすさも感じるそうだ。
「撮影現場で俳優さんやクライアントさんとご一緒する機会が多いのですが、そうした方々はカメラ好きが多いのです。私がライカS2を構えると『それ、ライカですね』と言われてライカの話で盛り上がって、現場に一体感が生まれることがあります。ライカってすごいカメラですよね」
 こうしたことは、他のカメラではなかったと清水さん。
「ライカ好きで有名な放送作家さんを撮影したときはライカS2が発売されて間もない頃で、大変にびっくりされて。おかげで現場が大いに盛り上がりました」
 清水さんの撮影は、ピントはMF。AFは使わない。
「ライカS2のファインダーはとても良くて、ピントが合わせやすいのです。人物の目にもMFでしっかり合いますよ」
 ライカS2とライカSレンズによる高画質は、人物撮影で大きな力になっているそうだ。
「肌色が綺麗に出るんです。特に女優さんは肌の色に神経を使うのですが、ライカS2だと安心できます。ただ高感度は決して強くありません。暗い場合はあえてアンダーに撮って、RAW(DNG)を現像するときに持ち上げます。2段分くらいは大丈夫ですね」
 こうした使い方は、中判デジタルが持つ画質の余裕を感じる。ただブレにはシビア。清水さんはライカS2で手持ち撮影もするが、基本は三脚を使用している。
「必ず三脚は持って行きます。ハスキーの4段です。カメラやレンズも重いですけど、三脚も大きくて重いですよね(笑)以前、ロケでは小振りのカーボン三脚を使っていました。ところがライカS2を載せると重心が上がって不安定になり、カメラごと倒れてしまったんです。そのときの修理代の高かったこと…。それからは、重くても我慢してハスキーを使うことにしました」
 真冬の吹雪の中でもライカS2をハスキーに載せて撮影している。
「防塵防滴ですが念のためカメラにレインカバーをします。しかしレンズ前は隠すわけにいかない。そしたらレンズフードの内側に雪が積もってしまいました」
 カメラを三脚ごと倒したり、レンズフードの中に雪を積もらせたり、それだけ聞いていると荒っぽく使っているように感じる。しかし清水さんは、こうした話をしながら、ライカS2をテーブルに置くときは下にクロスを敷き、撮影以外では決して雑に扱わない。プロの姿勢が伝わってくる。
 ライカS2を購入後、ライカ銀座店の2階にライカプロフェッショナルストア東京がオープンした。オープンの際はストアに清水さんの作品が展示され、S2ユーザーとしてスピーチもされた。そういったパーティーでは、アマチュアのユーザーの方にアドバイスを求められることも多いそうだ。
「プロストアの方々には『新製品出ましたよ』とかよく言われるのですが(笑)、購入から5年経った今も、ライカS2がお気に入りです。これからも使っていきますよ。レンズも70ミリと120ミリの2本でほぼカバーできています。私は広角より標準系が好きなんです。強いて言えばアポ・エルマーS F3.5/180ミリASPH.が欲しいかな。すごくいいレンズですよ」
 ライカSシステム以外のライカには興味がないのだろうか。
「実は先日、中古でライカR用のズミルックスR F1.4/50ミリを買ったばかり。35ミリ判はソニーを使っていて、アダプターでα7Rに装着しています。古いレンズですけどクセが強すぎず、ちょうどいい写りです。ライカにはフルサイズミラーレス機のライカSLがありますよね。ソニーα7Rも好きなカメラですが、ライカSLでも使ってみたいんです」
 ライカSLは背面の操作系がライカS2とほぼ同じなのも魅力とか。そう遠くないうちに、ライカS2と共にライカSLを手にする清水さんの姿が見られるかもしれない。



   
  ズマリットS 70ミリ F2.5 ASPH.
  フード根元部を見ると、  よく使いこまれていることがわかる。
  
 ズミルックスR 50ミリ F1.4(3カム)
    取材をお願いしたときにちょうど中古で購入した
 というRレンズ。
    ソニーα7Rにマウントアダプターで装着している。



Profile
Profile
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
1968年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。96年からフリー写真家となり、カメラ専門誌での活動や、国内、海外の街を撮る。ライカは97年購入のライカM3が初。現在はデジタルのライカM、ライカM9、ライカXバリオを主に使用する。2016年9月より、デザインオフィス(株)AQUAに所属。(公社)日本写真家協会会員。
(株)AQUA Webサイト
プライベートWebサイト
 
清水 朝子
Asako Shimizu
1969年東京生まれ。1993年日本大学芸術学部写真学科卒業。出版社マガジンハウス勤務(1993年~2007年)を経て独立。2006年キヤノン写真新世紀2006で優秀賞受賞。
主な個展に、NextLevel Galerie,Paris.「On Her Skin」(フランス 2013年)、ソニーイメージングギャラリー銀座 「ちょっとかがんで」(2014年)、NextLevel Galerie,Paris.「Storyteller」(フランス 2015年)など。
SHIMIZU ASAKO PHOTOGRAPHY
対談お相手
安達 ロベルト
アレックス・マヨーリ
河田 一規
北井 一夫
コムロ ミホ
清水 朝子
ジョン・サイパル
鈴木 信彦
大門 美奈
中藤 毅彦
永嶋 勝美
日野 真理子
藤里 一郎
バックナンバー
Vol.13 (2017/03)
Vol.12 (2016/11)
Vol.11 (2016/07)
Vol.10 (2016/01)
Vol.9 (2015/07)
Vol.8 (2015/04)
Vol.7 (2014/10)
Vol.6 (2014/07)
Vol.5 (2014/04)
Vol.4 (2013/12)
Vol.3 (2012/10)
Vol.2 (2012/05)
Vol.1 (2012/04)
RSS RSS