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われらライカ仲間
Vol.4
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
インタビュアー
対談お相手
北井 一夫
kazuo kitai
木村伊兵衛賞受賞ではじめて手にしたライカM5
 『三里塚』『村へ』『フナバシストーリー』など、数々の作品を発表してきた写真家、北井一夫さん。日本カメラ本誌でも『ライカで散歩』を連載してきた。『ライカで散歩』のタイトル通り、北井さんは長年のライカユーザーだ。
「初めてライカを見たのは写真学生の頃。デパートのガラスケースにあったライカM3を見て、すぐ『いいカメラだ』とわかりましたよ。とても買えなかったですが。でもいつか手にしたいと思いました」
 当時はミノルタSR-1を使っていた北井さん。だが1969年に『三里塚』の撮影をはじめるのに、広角レンズで人物に近づきたいと考えた。そしてキヤノンIIDとキヤノン25ミリF3.5を購入した。
「このキヤノンはずいぶん活躍しましたね」
 その後、ベトナム戦争を撮影していた岡村昭彦氏と出会い、ライカM3を見せてもらった。
「僕が『ライカってやっぱりいいんですか?』と聞いたら、岡村さんは『戦場では泥をかぶることもあって、日本のカメラはすぐ壊れてしまう。でもライカは大丈夫なんです』と仰いました。僕もドキュメンタリーを撮っていたし、これなら、と思ったんです」
 そして手に入れたのがライカM4。その後ライカM3も購入した。
「それでもレンズはずっとキヤノン25ミリ。そしたら木村伊兵衛さんと、当時ライカの輸入代理店だったシュミットの明石正巳さんが僕のライカを見て『ライカはレンズがいいんだよ。ボディは何でもいいけど、レンズはライカを使わないと』と言われたんです」
 北井さんは1975年に第1回木村伊兵衛賞を受賞し、賞品としてライカM5とエルマリート28ミリF2.8をもらう。ここからカメラもレンズもライカになった。
「ライカM5は大きくて重くて、評判悪かったですね(笑)。でもすごく手に馴染んで安定感がいい。そして露出計が便利です。よくプロは露出計なんか必要ない、なんていわれますけど、そんなことはない。木村伊兵衛さんだって、頻繁に露出を測っていましたよ
 もう露出計がないカメラをメインに使う気はない、と北井さん。現在はライカM5を2台とライカM6、そしてライカDIIIを所有している。レンズはスクリューのエルマー50ミリF3.5とエルマー35ミリF3.5がメイン。
「北京を撮り始めたとき、滑らかな仕上がりにしたくて、エルマーが向いているのでは、と思ったんです。赤エルマーを買って使ってみたら、柔らかい写りですごくいい。それから35ミリのエルマーも買いました。ライカのレンズは絞り開放で素晴らしい描写をします」
 現在はエルマー50ミリと35ミリの他に、エルマリート28ミリF2.8、ヘクトール28ミリF6.3、沈胴ズミクロン50ミリF2、そしてビゾフレックス用のエルマー65ミリF3.5を愛用。ズミクロン50ミリは室内など薄暗い場所で使っているそうだ。またエルマー65ミリは近接撮影で使用している。
「やっぱり気に入っているのは50ミリと35ミリのエルマーですね。ライカはエルマーでレンズを極めたように思います」
 北井さんといえば、モノクロのオリジナルプリントが有名だ。そのすべてが銀塩。デジタルは使わないのだろうか。
「以前、日本カメラ誌でライカMモノクロームを使わせてもらいました。とても良い写りだと思いますよ。でも僕はフィルムですね。ずっとフィルムを使っていきます」
 北井さんの作品は、これからもライカM5とエルマーと共に歩んでいくようだ。


Profile
Profile
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
1968年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。96年からフリー写真家となり、カメラ専門誌での活動や、国内、海外の街を撮る。ライカは97年購入のライカM3が初。現在はデジタルのライカM、ライカM9、ライカXバリオを主に使用する。2016年9月より、デザインオフィス(株)AQUAに所属。(公社)日本写真家協会会員。
(株)AQUA Webサイト
プライベートWebサイト
 
北井 一夫
kazuo kitai
1944年、中国鞍山生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。日本写真協会新人賞、第1回木村伊兵衛写真賞受賞。写真展多数。主な写真集に『村へ』、『新世界物語』、『80年代フナバシストーリー』、『ドイツ表現派1920年代の旅』、『1970年代NIPPON』、『西班牙の夜』、『過激派』など。
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