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われらライカ仲間
Vol.13
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
インタビュアー
対談お相手
安達 ロベルト
Robert Adachi
写真歴はライカ歴!
体にフィットする感覚はライカでしか得られない
 写真家でありミュージシャンでもある安達ロベルトさん。モノクロで独特な世界を表現するアーティストだ。安達さんが初めて自分で買ったカメラがライカだった。
「私はずっとカメラは持ちませんでした。旅に出ても写真は撮らず、自分の頭の中にイメージとして記録していました。しかし実は私の妻がカメラ好きでして。妻と一緒にカメラ店でカメラを見ていたら、写真も面白そうだと思って始めたのがきっかけです」
 カメラ好きといえば男性のイメージだが、女性でカメラが大好きなのは珍しい。「嫁入り道具はミノルタTC-1でした」とのこと。
「また石川文洋さんが撮影したアンコールワットの作品を本で見たのですが、それが素晴らしくて、自分も写真を撮ってみたいと思ったのもきっかけですね」
 とはいえ、初めて買ったカメラがいきなりライカとは驚きだ。
「ライカは趣味のカメラという先入観があったので、はじめは買うつもりはありませんでした。しかしライカはアートツールになるなと思っていました。そこでライカに詳しい友人に相談したら『それなら最初からライカにすればいい』と言われて、それからライカについて調べまくりました。まだ買ってもいないのに、すっかり詳しくなってしまいましたよ」
 選んだのはライカM6。レンズはズミルックス35ミリF1.4。
「結局友人の勧めるライカM6にしました。レンズは石川さんがスーパー・アンギュロン21ミリ、ズミルックス35ミリ、テレ・エルマリート90ミリを使っていて、それに影響されてズミルックス35ミリを買いました。絞り開放の柔らかい写りが気に入っています」
 ライカM6を手にしたのは2003年のこと。そこからすぐに写真家としての活動がスタートした。ビギナーなのにプロ写真家とは、異例とも言えるスピードだ。
「写真を初めてすぐに本格的なウェブサイトを作りました。当時はまだしっかりしたウェブサイトを持つ写真家は少なかったように思います。そのせいか、サイトを見て仕事の依頼が来るケースが多かったですね。はじめはまだ写真を始めたばかりとは言えなくて、ビギナーであることは隠していました。2003年から写真を始めたと言えるようになったのは、つい最近のことです」
 ビギナーであっても仕事が来たというのは、それだけ安達さんの作品が素晴らしく、アーティストとして写真で表現したい世界が確立されていた証だろう。ただビギナーには、ライカの操作は難しいように感じるが、安達さんは違和感なく使えたそうだ。
「自分が望むツールに出会えた感覚でした。逆に35ミリ一眼レフは私に合いません。仕事ではレンタルして使うこともありますが、欲しいとは思いませんね。フィーリングが合わないのです」
 カメラはできるだけコンパクトにしたいと安達さん。一眼レフは大きくて重く、好みではないとのこと。そしてシンプルなのもライカの魅力だと語る。
「ライカは和楽器のようです。洋楽器は使いやすいように、音を出しやすいように進化しているのに対し、和楽器は音を出すのが難しい。自分で工夫して綺麗な音を出す。ライカも決して便利で万能ではないですが、他のカメラでは得られない一体感があります。その感覚は、まさに官能的ですね。ですからシンプルなレンジファインダーカメラなら何でもいいわけではないのです。やはりライカですね」
 現在は、フィルムはライカM2を愛用する。いろいろ触った中で、最も気に入ったのがライカM2だった。ボタンリワインド、採光窓のギザギザが内側に向いている、いわゆる「内ギザ」と呼ばれるタイプだ。「初期型がほしかったんです」と語る安達さんに、アーティストとは別の、ライカファンとしての顔が見える。
 仕事上、デジタルも必要になり、ライカM8、そしてライカM9を使用した。そして現在のデジタルはライカM(Typ262)だ。
「デジタルでもシンプルなライカが欲しかったのです。Typ262は、同じライカMでもTyp240とは異なり、動画機能もライブビューもなくシンプルなのが気に入りました。『シンプル』と『イージー』は別ですよね。機能が少ないから簡単に扱えるのではない。自分の意思がダイレクトに伝わるカメラが好きなのです。デジタルでは、それがライカM(Typ262)だったのです」
 奥様と共用も合わせると、ライカM2、ライカM3、ライカM、ライカQ、ライカTを所有する安達さん。デジタルが増えたが、いつか、もう一台ライカM2が欲しいと語るほどのフィルム好き。作品撮りの旅には必ずフィルムのライカも持って行き、仕事でも納期に余裕があればフィルムで撮影するほど。しかしフィルムや印画紙の種類は少なくなっているように感じるが。
「音楽ではアナログレコードやカセットの人気が上がっていますよね。写真も同じで、最近はフィルムも人気が出てきていて、海外では新しいフィルムや印画紙も発売されています。手に入りにくいこともありません。ですからフィルムは全く悲観的に見ていません。これからもフィルムとデジタルの両方で写真を撮っていきます」


   
   
   
   
      
   

   ①ライカM(Typ262)
    レンズはローライゾナー40ミリF2.8を愛用している。
    MLリングを使い、35ミリのブライトフレームを表示
    させて使うのが安達さん流。
   ②ライカQ
    奥様と共有していることで、
    ハンドストラップも奥様のもの。
   ③ライカM2
    レリーズボタンはARTISAN&ARTISTのものを装着。
    

Profile
Profile
藤井 智弘
Tomohiro Fujii
1968年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。96年からフリー写真家となり、カメラ専門誌での活動や、国内、海外の街を撮る。ライカは97年購入のライカM3が初。現在はデジタルのライカM、ライカM9、ライカXバリオを主に使用する。2016年9月より、デザインオフィス(株)AQUAに所属。(公社)日本写真家協会会員。
(株)AQUA Webサイト
プライベートWebサイト
 
安達 ロベルト
Robert Adachi
1969年生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業。写真を独学。アナログ白黒作品制作を活動の中心に置き、国内外で多数展示。並行してエディトリアル、広告、ポートレート等の分野でも撮影。写真雑誌での執筆も多数。ファインアートの分野で国内外で受賞多数。主な出版物に、写真集、「Clarity and Precipition」(arD)等がある。
http://www.robertadachi.com
対談お相手
安達 ロベルト
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